第4章

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「田辺、足、痛むのか」 布団を大きく捲ると、田辺が膝を抱えて丸くなっている姿が現れ、俺はハッとした。 慌ててベッドの傍に駆け付ける。 「いや、大丈夫です…」 田辺は冷や汗を浮かべながら、歯をくいしばるようにして痛みに耐えていた。 塩谷先生が手早く、目隠しカーテンを引く。 その内側に入るべきかどうか迷っていると、 「春山くん、悪いが、脚の付け根のあたりを強めにさすってやってくれるかな」 「分かりました」 カーテンをきっちり閉めると、俺は指示通りベッドの反対側に回って、右脚の付け根を下に向かって摩った。 塩谷先生が膝の裏側と太腿を両手で挟むようにして、マッサージを始める。 「すみません…ほんと、すみません」 田辺は顔を辛そうに歪めながら、何度も何度も詫びていた。 .
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