第二幕 愚か者の失態

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「黒羽盗一の炎の大脱出マジックが、今成功しました!!え!?あっ!はい!只今、この会場の近くで爆発事件が起きました!原因不明の!!」 黒羽盗一のマッジクショーを生放送で中継していた。 が、突然起きた原因不明の爆発事件が起きたために、急遽番組変更となったのだ。 黒羽盗一の楽屋。 楽屋の中には、黒羽盗一と付き人の寺井が話していた。 そして傍には、五歳位の少女が眠っていた。 二人が話している内容は、眠っている少女のことだ。 「良く眠っているね」 「愛らしいお子さんですね。盗一様」 「だが、いつの間にあんな所に・・・・」 そう。少女が眠っていた場所は、今日のマジックショーで使うマジック道具を置いてあった場所。 鍵は厳重に掛けられていた。合い鍵を持っている者は、黒羽盗一と付き人の寺井の二人だけ。 しかも、鍵は開いていなかったのだ。 少女は、どうやって中に入ったのか? 疑問は増すばかりだ。 今、判っているのは 「この子は、独りぼっち。」 黒羽邸:リビングルーム。 「盗一!あの子、起きた?」 妻・千香子は、昨日盗一が連れ帰った少女を気にかけていた。 なぜなら、少女と我が息子と同年代だから。 しかも、ご両親の存在自体ないのだから、余計に。 「もう少し、寝かせてあげよう。」 「起きろーーーーっ!」 「・・・・・・・・💧」 「あらあら😌」 おれの名前は、黒羽 快斗。 六歳。父さんの様なマジシャンに、なるのが夢。 昨日のマジックショーの後、父さんが女の子を連れて帰ってきた。 歳は多分、おれと同じくらい。
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