光君

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光君

・・・そのまま僕は光君の家にお邪魔することになった。 「うわぁ…。」 大きな本棚にはぎっしりと古っぽい本がところ狭しと並んでいる。 「前は考古学者が住んでたみたいなんだ。」 「そうなの…」 なんとなくだけど、まるで図書館のようなここは落ち着かない。 「ねぇ、なんで僕を招いてくれたの。」 くるり、と振り向いた光君。 「君は本当に雪から魔法をもらってないのかい?」 「うぇ…うん、多分。」 すると慣れたように一冊の本を取り出してページをめくる。 「この国の最古の話は知ってるかい。」 「え、うん。少年とドラゴンの話だよね?」 寝ちゃったからぼんやりしか記憶ないけど。 「なら話は早いよ。」 光君はそう言って本を見せてくれた。
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