初雪

3/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
12歳の、最初に見た雪。 その雪から人はたった一つ、魔法を授かる。 何故かは知らないけど、この街の人々は皆そうなんだ。 それは個性が色々あるように使える魔法も皆様々。 僕はなんだろう。 「アブラカタブラ、ちちんぷいぷい、開けごまー!!」 物語に出てくる魔法の呪文を適当に叫ぶけど、何も起きない。 それを笑うように雪が舞う。 雪を受け止める地面ももう、雪でいっぱいだ。 行く宛もなく、外の世界をうろうろしてると、見慣れた水色の毛糸の帽子が見えた。 冷たい空気を肺いっぱいに吸い込んで僕は叫ぶ 「ひぃーらぎぃい!」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!