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朝木は少し納得したようで頷いた。
「朝木ちゃんも聞いたんだねぇ、扉の音」
「うん」
『暗躍者が狙うのは鍵である者です。終わりの扉では二人の役目が反転します』
「開けた人が今度は閉める人に、閉めた人が開ける人に………ってこと?」
『そういうことです。今のでわかりましたよね? 仮に暗躍者が二人を連れ去ったのなら閉じる役目の臣野さんは殺されるでしょう』
奴らが利用しようとする理由が
やっとわかった。
そういう事だったんだな。
「でもさ、他にもこっちに来た人はいるじゃん? そいつらも鍵の役目を持ってる人はいるんじゃないの?」
『優さん、よく気がつきましたね。ですが大丈夫です。奴らは狭間には行けません。行けるのは案内人である僕のみです』
なら……ある意味安心か。
『まさかこんなとんとん拍子に見つかるとは思っても見ませんでしたから良い意味で予想外ですね』
「じゃああとは向かうだけって事だね」
『ええ』
つまりは俺と舞崎は二人を守んなきゃいけない訳だ。
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