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体が動かせなくなる。 関節に見えない糸が張るような感覚になった。 舞崎が目を閉じて深呼吸をした。 そして――― 「うわっ!」 目まぐるしく視点が変わる。 それだけ速く相手が動いてるって事なんだけど……… こいつの頭ん中は一体どうなってんだ?! 標的を追いかける、俺を動かす、移動先を予測する、その他諸々全部を一人でこなしてる。 「くそっ………ちょこまか動くなぁぁ!」 急に体の向きが回転する。 舞崎の後頭部に銃口が当たる。 引き金が動く。 破裂音が辺りに響く。 「間一髪ギリギリセーフっ! てか?」 舞崎はしゃがみこんでいたから大丈夫だった。 「優くんびっくりしたでしょ? 当たるはず無いじゃん、俺が操作してんだから」 ドサリと倒れる音がする。 俺と舞崎の視線の先には対象が倒れていた。 足が無かった。 つまりそいつの足を俺は―――舞崎は―――吹っ飛ばした。 「いやー、こういう戦い方もありだね」 鼻を押さえながら言った。 「どうした?」 「鼻血出た」 「は?」 「俺の情報処理の限界超えたの。おかげで頭ん中ガンガンする」 「だ……大丈夫?」 俺の方に倒れ込んできた。 .
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