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スッと自分の胸に狂気が入り込んでくる。
多分結末は最悪。
どっちに対しての最悪か
なんて分からないけど。
「なんで殺すの?」
無意味な質問をもう一度繰り返す。
「帽子を血で染める事がレッドキャップとしての本能? それとも人狼としての捕食本能? 今の姿ならそう俺らとは変わらないけど?」
金色の長い髪に青い目、
そして少し子供っぽい顔。
「もしかしてどちらでも無い感じ?」
「はぁ? 優くん違うよ、そいつは人狼ってシンが……」
「それはシンエイの考えでこれは俺の推測。だってさ、日本語で鬼の付く人成らざるモノはたくさんあるよ」
『優さん、下がりなさい』
「えっ?」
直後俺の頬を何かが掠めた。
血が薄く滲んだ。
「ぐあっ………」
顔の横を細長い何かが伸びていた。
痛そうな声を出す舞崎を見れば
左肩に伸びるソレが突き刺さっている。
「舞ざ………っ!」
「めぇはなしちゃあダメだよ」
油断した……
やつの伸びた指が俺の肩にも刺さった。
「うふふっ、痛くしないよぉ。おにーさんのかんがえはご名答。ぼくはねぇ、ただヒトの血がほしいだけなの」
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