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「何が……………っ!」 掴んで引き抜いた。 痛いけどしょうがない。 「あぁあ……血がもったいないよぉ。それに血をもらったらあとは狼さんが食べてくれるんだよ」 「悪いね、俺も死にたくねぇんだ。とりあえず舞崎を離せや」 横に伸びた指を忍ばせてたナイフで切り落とした。 返り血が顔に付いて錆びた鉄の臭いしたけど気にしてらんない。 「舞崎、いいだろ」 返事は無かったけど肯定と捉えて引き抜いた。 その瞬間嫌な振動が手に伝わってすぐに投げ捨てた。 「優くんどうする?」 「どうするもあとは俺がやるさ。シンエイ、囲って」 「承知」 黒い影がシンエイを中心に広がった。 「舞崎は出しといて」 「はっ? ちょっと『わかりました』 「シン! 俺も…………」 森の風景も舞崎も見えなくなった。 これで容赦無くできる。 さっきから俺ん中で感情がグシャグシャになってどうにかなりそうなんだ。 「きみがあいてになってくれるの?」 「……………」 どうしよう、 蜂の巣にでもしてやろうか。 「シンエイ、肩の傷、治してくんね? 能力的に差があるんだから無傷でやりたいじゃん」 『わかりました』 でもまぁ一旦は落ち着こう。 感情に任せると失敗しかしないのは十分に知ってる。 .
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