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軽く息を吐いてから相手を睨んだ。
薄れたどす黒い感情がゆっくり練り上がって濃くなっていく。
「来いよバケモノ」
さっきの舞崎のおかげでだいたいの感覚は掴んだ。
正面のそいつの怪我はすでに治ってる。
つまりはヤバい状態ってわけであって気を抜いたらアウト。
もちろん気を抜くつもりは微塵もない。
両手に薄い金属の刃を持った。
今度は少しギザギザしてるから
当たったら結構深く切れるし複雑な傷になる。
まぁ当たんなくても
まきびし程度にはなるだろ。
ちなみに俺が持ってる短剣は
ほとんどが投擲用だ。
「なんでみんなぼくをころそうとするの? ねぇ……なんで?」
「んな、そりゃあんたが悪いことすっからじゃないの? 俺は知らないけどね」
「じゃあわるいことってなぁに? ぼくはただいきるためにやってるだけだよ」
「うーん………そんなの俺が知ってるわけ無いじゃん。俺はただ頼まれただけだから」
タァンっと辺りに銃声が響いた。
「?!!」
「これ、なんだかわかる?」
断末魔に近い叫びを上げたそいつの肩から煙が上がってた。
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