12

11/14
前へ
/540ページ
次へ
「それさ、銀なんだ。銀の弾丸」 さっきやっと手にとった銃から 細く煙が上がる。 「動けないでしょ……これで俺が殺りやすくなったよ」 最初に取った低い姿勢から 動けなくなった奴を蹴飛ばして 掌と足首に最初に持っていた刃を突き刺した。 「これで終わり。意外に呆気なかったかもね」 銃口を口に押し込んだ。 けど奴はそれを無理矢理避けて言う。 「おにーちゃんもぼくといっしょだね…………だって…………血のにおいがするもの。おにーちゃんもぼくといっしょのバケモ―――バンッ―――」 肩で大きく息をした。 こいつなんかに…………分かってもらう道理は無い。 「……はっ…………ふざけるな……っ」 俺は奴の言いかけの言葉を銃声で掻き消した。 .
/540ページ

最初のコメントを投稿しよう!

305人が本棚に入れています
本棚に追加