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「それさ、銀なんだ。銀の弾丸」
さっきやっと手にとった銃から
細く煙が上がる。
「動けないでしょ……これで俺が殺りやすくなったよ」
最初に取った低い姿勢から
動けなくなった奴を蹴飛ばして
掌と足首に最初に持っていた刃を突き刺した。
「これで終わり。意外に呆気なかったかもね」
銃口を口に押し込んだ。
けど奴はそれを無理矢理避けて言う。
「おにーちゃんもぼくといっしょだね…………だって…………血のにおいがするもの。おにーちゃんもぼくといっしょのバケモ―――バンッ―――」
肩で大きく息をした。
こいつなんかに…………分かってもらう道理は無い。
「……はっ…………ふざけるな……っ」
俺は奴の言いかけの言葉を銃声で掻き消した。
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