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「うー…………ん」
暇だ、暇すぎる。
「まだ来ないかなぁ。もう2時だよぅ……ねぇ、うさちゃん?」
なんて、答えるはず無いけどね?
あいかわらず俺の周りをうさちゃんはグルグル回ってる。
それを抱き上げてむぎゅーって抱きしめてみた。
高鳴っていた鼓動が少し落ち着いたような気がする。
「ねぇ、にしってどこに行っちゃったと思う? ……あっ……」
手から飛び出したうさちゃんが扉の前に来て前脚でカリカリ掻いた。
「出たいの?」
扉を開けるとうさちゃんは廊下に出て今度は階段の前で止まって俺の目を見た。
下に行きたいのかな?
そう思ってうさちゃんを抱っこして階段を下りて何となく食堂に入る。
「新聞的なのが確かあったっけ」
隅にあるラックの1番上にある
新聞らしきものを取った。
『テルツォに翼を有した魔物が襲来!』
一面の見出しにそう書かれていた。
『帝国側の使い魔か。第三都市に緊張高まる。』
『連合統領府は帝国の粛清を検討。』
「物騒だなぁ…………」
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