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そう言って差し出したのは
簡単な造りのバック。
「まーくんこんなのどこに持ってたの?」
「さっきまで情報屋に預けてたのを取ってきた。一人でこっちに来てた時に使ってたやつなんだ」
「へぇ………」
「ほら、その優くんが昨日買ってきたもんとか入れちゃって」
俺にバックを手渡してまーくんは下に降りていった。
『彼、朝食べてないんですよ』
「え゛っ?!」
『集中したい時はあえてそうするんだそうです』
「大丈夫かな……」
『見たところ、疲労困憊って感じですかね』
「まーくんの力ってそんな大変なの………?」
『まぁ……能力が能力ですからねぇ……僕が使うわけでは無いのでなんとも言えませんが』
「そう………」
ホイホイとバックに詰め込む。
まぁ詰め込むって言っても三つ四つだからすぐに終わるわけで。
「荷支度完了ー!」
ボフッとベットに倒れ込んだ。
と同時に立て掛けてたラケットが倒れて俺の後頭部に当たった。
「いっ………ねえ、シンエイ」
『なんでしょう?』
「俺に戦い方教えてよ」
『あら、どうしたんですか、急に』
「……俺、もう足手まといになりたくない。今いる近くの人ぐらいは守りたい。だから………」
こっちに来てなんだかモヤモヤしてた。
多分ずっとこれが言いたかったんだと思う。
シンエイは俺ににこりと笑いかけた。
多分……良いって事で捉えていいんだよね。
「ありがと、シンエイ」
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