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村を出て5日後、
俺らはとんだ足止めを食っていた。
2日前に降った大雨のせいで川が増水して行くも来るも出来ない状況。
「まだ水が引く気配無いよ………」
『ですねぇ………多分上流で降っていると思われます』
だよなぁ……
まだしばらく進めそうに無いなー
横では舞崎と朝木が蹴ったり殴ったり………って喧嘩じゃなく、練習的な事をしてる。
なんていうの、コレ?
組み手?
「よっしゃ俺の勝ち!」
「くーっ……まーくん少しぐらい手加減してよ!」
「勝負に手加減はねーよ」
「……じゃあ優ちゃんやろ!」
「なんで俺になる?」
「いーの! やるの! 拒否権無し!」
「はいはい。やりゃーいいんでしょ? てかなんで世界史苦手なやつが拒否権知ってるし……」
重い腰を上げて銃をホルスターから外した。
「朝木からどうぞ」
「優ちゃんなめてんの?」
「いや、そんなことないよ。で、お願いなんだけどあと10m下がってくれると嬉しいな」
「……俺、本気でいくからね?」
「どーぞ」
銃弾をゴム弾に装填し直して軽く構えた。
「俺は準備オーケー。朝木は?」
「その前から出来てるもんねーつって」
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