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あいかわらず水は濁っていてそのうえ流れが速く量も多い。 「まだしばらくは進めないか………はぁ………」 うなだれていたら何か変な音が聴こえた。 叫び声のような……なんだ? だんだん近くなって………… 「ぅぁぁぁあああああああああっ????!!!!!!」 その音の発生源は俺の目の前を とんでもないスピードで通過して川にダイブした。 え……つか………人? 「舞崎! 空から人が!」 「何? ラピュタ?」 「馬鹿! 誰もボケてない! 空から人が降ってきて川に落ちた!」 「いや、それは見てたけど………」 「助けろよ! こんなんじゃ泳げないし舞崎の影が一番だろ」 「あ、そうだね」 影が川を覆い尽くして数十秒後。 「いた!」 ザバっと黒い塊が岸に上がる。 舞崎が影を戻すとその覆っていた影も消えた。 「………生きてる?」 「まだ生きてる」 「……………ゲホッゲホッ……っ………はー………」 俯せになっていたその人は深く深呼吸をして寝返りを打った。 「えっ………」 その顔は俺がよく知ってる顔だった。 「うそ……マジ………」 「ふふっ……やっぱり優ちゃんだぁ」 「えっ何、知り合い?!」 まさか、こんなところで会えるなんて思ってもみなかった。 .
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