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「優ちゃんもこっちに来たんだねぇ」
「マジ……本物?」
「ひどいなぁ……本物だよ。しょーしんしょーめいの臣野智海だもん。………あれ? 君は?」
臣野くんは俺の横にいる舞崎に目を向けた。
「お……俺?」
「うん、君。同じとこの人間だよね?」
「そうだけど……俺は舞崎。舞崎紫陽。高一です…………」
「思い出した、確か君、A組だよね? そーゆー名前だったんだねぇ、じゃあしぃちゃんって呼ぼうかな」
「えっ……あ……あの……えっと…………」
「おいら、じゃあ先輩だね。高三だもん」
「えっ?!」
「やっぱ見えないかな? よく間違われんだよね」
ま……舞崎が完全ペース持ってかれてる……
「ねえねえ、優ちゃんは2人で?」
「いや、違うよ。ほら、あの丘にいる二人を含めた四人で旅してる。俺らの事は黒い方、シンエイっつーんだけど、あいつにお世話になってる。最近出たばっかりなんだけどね」
「じゃあ“扉”を目指してんだね?」
「まぁそんなとこ。臣野くんは今までどうしてたの?」
「おいら? おいらはねぇ、あんまり動ける状況に…………あっ、二人がこっちに気づいたみたいだよ」
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