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俺と舞崎の手を引っ張って
丘を駆け上がっていく。
舞崎は付いていけなくて
若干戸惑ってる。
「優ちゃん、その人だぁれ?」
「朝木ーっ臣野くんだよ! 前に話した!」
「おみ………あっ、一番目の失踪者ぁ!」
「そう! こっちに来てたんだよ」
「よかったね、優ちゃん!」
「ああ!」
『…………何と……まさか本当に別の場所に落ちているなんて。あなたが臣野智海さんですか』
「うん、そうだよ。君がシンエイね?」
『ええ。』
「それで優ちゃん、こっちの子は?」
「こいつは朝木。朝木磨斗」
「ふぅん………よろしくね、朝木ちゃん」
「よっ……よろしくお願いしますっ………」
「朝木ちゃんって人見知り?」
朝木は全力で首を縦に振った。
「朝木ちゃんかわいーね。フツーで良いよ、先輩後輩とか気にしないからさ、おいらのことは好きに呼んで」
「うん! じゃあ…………おみくん! ……でいいかな?」
へにゃっと彼は笑って頷いた。
なんだろう……この人の笑顔には不思議と惹かれるんだよね。
それに壁が無いからすんなり仲良くなれる。
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