305人が本棚に入れています
本棚に追加
/540ページ
「確か二人は同じ日に消えたはずだよ! なんでそんなに差があるの?」
「なんでだろーねぇ、朝木ちゃん。おいらもね、わかんねーのよ。それにさっきおいらが水面に叩き付けられたのに傷一つ無かったし、わかんない事だらけで………」
「えっ……臣野くんってどっから落ちてきたの?」
「雲の上? 辺りから」
「「「はい?」」」
「えーっと……シンエイ、せつめーお願いっ」
『……そうですねぇ。では最初に僕の分かる範囲内で時間のズレから説明しましょうか。これはあくまでも僕の予想ですが本来落ちるべき場所ではないところに落ちてしまったために時間も同じくズレてしまったのではないかと』
「ズレの埋め合わせって事?」
『ええ、そのように考えるのが自然かと。そして……もしかしたらあなたは扉に選ばれた鍵かもしれませんね』
「?」
『始まりの扉は常に開いている訳ではありません。何かの拍子で開いて何かの拍子で閉まります」
「じゃあその…何かの拍子が鍵の要因ってワケ?」
『そうですね。そしてそれはたいてい最初と最後に来た人物となる場合が高い』
「じゃあ……俺が?」
『ええ。こちらに来る時に臣野さんと朝木さんは扉の音を聞いたでしょう?』
.
最初のコメントを投稿しよう!