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『風の流れが読めればその上を滑る事も出来ますね』 そのあとは臣野くんは グルリと旋回して元の場所に戻った。 「ねっ? だから行こう!」 「まぁ……俺は良いけどさぁ……どうやって行くの? 俺ら臣野くんみたいにそれ履いてるわけじゃないし手段無くない?」 「優ちゃん大丈夫だよ、呼ぶから」 「誰を?」 「ウタヒメ」 「はぁ?」 「ひりゅーのウタヒメだよ」 首に掛けていた紐を引っ張ると その先に付いてる金属の筒をくわえた。 ……笛か? 細い高い音を出して辺りに微かに響く。 「なんか耳に来るね」 「そうかな?」 朝木は耳を押さえて顔をしかめた。 「来るよ。今返事が来た」 笛から口を離して臣野くんが言った。 あれ……風、強くなった? 「ゆ……優ちゃ……見てっ、あれ!」 「ん………あ……あぁぁ?!!」 「うわぁぁぁぁっ臣野くんこれぇぇぇっ?!!!」 「ふふっ……みんな驚きすぎだよ」 俺らの頭上に現れたのはとんでもなくでかい龍。 「そんな反応したらかわいそーだよ、ウタヒメは女の子なんだから」 「マジ?」 「うん。いかつくても女の子だよっ」 いかつくても、はレディーに対して失礼じゃないか? .
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