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よく見たら船の窓からたくさん人がこっち見てる。
珍しいのかな……
「ん? どうした?」
「あ……いや、なんかたくさんの方が俺らのこと見てるから……」
「あぁ、下から人が来るなんてまず無いからなぁ、子供らにとっちゃあ珍しいのよ。客人もなかなかやってこねぇし、たまに会う別の船の連中も最近はどこまで行ったか知らねぇが見かけないから……。良ければなんだがここにいる間は一緒に遊んでやってくれないか? …………そういや名乗って無かったな。俺は龍尾ってんだ! この船の船長をやってる。あんたは幸井優、舞崎紫陽、朝木磨斗だろ?」
「はい、よろしくお願いします」
「敬語は無し! 俺、堅苦しいの嫌いなんだ」
「……………とーりょー、三人共困ってるよ?」
「えっ……あぁ悪りぃ悪りぃ。俺も久々の客人で嬉しいんだわ。…………それで、このバックにいる奴は誰だ?」
「えっ」
舞崎が持ってるバックを指差した。
モコモコ動いてシンエイが出てきた。
そしてパペットから人型へ姿を変える。
「ほう………あんた、“始まりの花畑”の案内人か」
『ええ、よくご存知で。空の民の統領様』
「あの空域はよく通る。そこにいるあんたもたまに見たよ」
『僕もです、あなたが子供の時から見ていますよ』
「まさか話せるなんてな、思っても見なかった。おもしろくなりそうだな」
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