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「じゃあ優ちゃんこっちね」 「おうっ」 臣野くんの部屋に入ったけど相変わらず真っ暗で何も見えない。 「少し散らかってるけど……」 「大丈夫、俺そんな気にしないから」 「よかったぁ」 ブーンと音がしてゆっくり部屋が明るくなる。 部屋の隅には制服とバックが無造作に置かれていた。 「これ………」 「おいらね、ホントそのまま落ちてきたの」 「…………ごめん」 「なんで謝るの?」 「だって……」 「悪くないよ、優ちゃんは。あれはおいらが変に地雷を踏んじゃった感じだし…………」 「それでも……俺は謝りたい。首のそれも跡残ってるんでしょ?」 「まぁ…………あれはちょっと痛かったかなぁ?」 臣野くんは首に巻いた包帯をさすった。 「朝木ちゃんは知らないんだね」 「あぁ……知らなくていい」 「でもいつか知るかもよ?」 「…………怖いけど……そん時はそん時さ」 「優ちゃん少し変わったね」 「そうかな?」 「変わったよ、人を見る目が変わった」 「…………どんな目してた? 今までの俺って」 「ずっとね、怯えてた。相手の感情を全部読むみたいに………」 「それね、もう疲れたから辞めるわ」 「そっ、それがいーよ」 .
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