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「あら、あんただけ楽しもうとしてるなんてずるいわ」
青騎士の反対側の柱から赤騎士が顔を出す。
「「!!!」」
「ハッ。おめーはいいだろ。王様んとこ行っとけよ」
「つまんない。もし上まで来たとしてもボロボロじゃない。それにあんたが相手ならどっか欠けてるわ、絶対」
「抵抗出来ねー奴を叩きのめすのもまた一興じゃね?」
「そうかしら? 大した力も無いクセに変に自信過剰な奴を圧倒的な力でへし折った方がよっぽど楽しいわ」
「………ふぅん……それもそうだ」
「ね?」
赤騎士は今回は仮面を着けていない。
ふわっとしたかわいい笑顔とは正反対の言動は正直怖い。
「早くやりましょう。ウズウズしちゃう。ねえ………」
直後目の前から消えて後ろからドンと音がする。
「くぅろぉたーん」
階段の下でにしの上に乗ってる。
にしはすんごい引き攣った表情をしていた。
「………俺をご指名で?」
「もちろん」
「大迷惑」
「あら、ヒドイ。こんなに可愛がってるのに?」
「ほんっとドSですね。さっきの発言聞くに可愛がるの意味、間違ってますけど」
「……そういうところ、嫌いじゃないわ」
ガコンと大きな音を立てて階段が跳ね上がって俺とにしを分断した。
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