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「じゃあなんで従うの?」
「おいおい、禅問答か? コレ。………まーいーか。で、あんたこれ見える? てか見えてるよな?」
右腕をあげてブラブラした。
俺にはその手首には鎖が巻き付いているように見える。
「誓約“切れない鎖”。意志とは関係なく一方的に結ばれる誓約だよ。確かあんたのお仲間にもいたな、“月と太陽”の影使いが」
「そう。あとは二方向の“忠誠”もね。確か、それが俺には効きにくくてすぐに用済みになったんだよね。」
「そうそう。覚えてんじゃないのー。俺のこれは主人側から破棄されると破棄されたそいつは激しい苦痛を与えられる。悪けりゃ死ぬ」
「だから逆らえないんだ」
「そゆこと。俺、そんなんで死にたくねーし。でさ、俺から聞きたいことが一つ」
「何」
「あの時あんたは確かに死んだ。なんで生きてる?」
「…………違う時間軸の俺とにしが同時に一つしかないこの世界に関わってしまったから。それが理由」
「なら、アンタは王様以上の禁忌だな」
次の瞬間俺はしゃがみ込み蛇を一掃する。
周囲の柱からは時間差でビタッと張り付く音がする。
「そうだよ。でもね、それ自体がアイツの目的だった」
青騎士は口笛を吹く。
「ねえ………もう、喋んの、止めよっか?」
「ああ。話してばっかりじゃ何も始まんねえしな」
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