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俺はあえてそれには答えない。
先を読んでも行き着く先は一つしかない。
どうやら俺には場を整える事しか出来ないみたいだ。
でも……なら、せめてかっこよく決めてやる。
いや違うな、花を持たせてやる。
「おい、答えろよおッ!!!」
青騎士の下にいる龍は口の隙間から青白い光を漏らし蛇のような眼を俺へと向ける。
「俺にはね、鍵っていう肩書きとナイトの駒がいるんだ」
「あ゛っ?!」
「人に対してはあんまり素直じゃないんだけど、でもすごく優しい、優しすぎてそこに付け込まれて何度も繰り返しちゃったけどそういうのがさ」
「何の事を………」
「残念。君の身内はなくなったみたいだ」
彼はその意味に気がついたのか額に血管を浮かせた。
「んな………事あるか………あって………たまるかッ! ニーズヘグ放てッ!」
低重音と共に溜め込んだ青白い炎を俺へ向けて吐き出す。
「あー……君も自分から死にに行くんだね」
目の前に迫る炎と俺の間に一つの影が立つ。
「人のこと駒ってひどくない?」
そう言って床と天井ギリギリの大きさにもなる光の円盤を召喚する。
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