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「はは……私ね、本音言っちゃうと早く死にたいのよ。もう疲れたから」
「………けれど誓約のせいで自分からは出来ない、と」
「分かってるじゃない。だけど王様の方から破棄されてあの時のアンタのようにはなりたくないわ」
「言っとくけど、あのあと俺、全身複雑骨折だからね」
「なら尚更」
その間に赤騎士は飾りのリボンで傷口の近くをきつく縛って止血した。
「あーあーそれじゃあ将来その腕使えなくなりますよ?」
「…………馬鹿」
そう言ってハンマー片手に俺へ向かってくる。
片腕がおしゃかになっても
あいつはやっぱり強い。
俺が次々と放つ鎗を巧みに避けていく。
けどやはり血を失っているだけあって目の焦点はあまり合っていない。
段々と後ろに圧されていた俺もそろそろ頃合いを見計らわないと、これ以上下がると下の舞崎に影響が出る。
赤騎士はそれを分かってかそのスピードを上げていく。
「……これで………ッ」
奴はハンマーで殴りかかるのではなく先の尖ったところで突きにきた。
何度かそれを避けて突きの速さを見て、次に来たそれをギリギリまで引き付けてピンポイントで円盤を“二つ”展開した。
ハンマーの先は円盤に吸い込まれ、それと同時に背中に展開した円盤から赤騎士の心臓に深々と突き刺さった。
「?!!!」
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