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「最近気がついたんだよ。自分だけじゃなく生物以外なら何でも通せるって」 赤騎士は膝を崩し前のめりに倒れた。 彼女は足元で息も絶え絶えになって俺を睨みつけていた。 それに俺は、もう抵抗は出来ない、と判断してしゃがんで顔を寄せた。 「なんですか?」 右手を俺の頬に伸ばして軽く触れた。 「…………アンタの……事、………だわ」 途中何て言ったのか聞き取れなかった。 けれど彼女は満面の笑みを浮かべると眼から光が消えて手が落ちる。 その時手に付いていた血が筋を作った。 「…………別にアンタの事は……嫌なヤツではあったけど………そこまで嫌いでは無かったかもしれない」 自分でなんて心情の変化だと思いながらも口を突いて出てしまった。 刺さったハンマーを抜き、まぶたを閉じてあげて壁際に寄せる。 上を見上げて円盤を展開する。 ここから朝木のいる所まで飛ぶには5秒ぐらいかかる。 「磨斗、堪えてろよ」 円盤に入った。 その時、声が聴こえた。 朝木の声だ。 磨斗のクセに生意気な事言いやがって……… 円盤から抜けた。 .
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