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日が昇ると同時に俺らは上へと向かった。
食べる時間すらもったいなくて歩きながらパサつく携帯食糧を胃袋に詰め込んだ。
ここから先はあんなでかい部屋はなくてセイジュの居住区に入るからエレベーターと回廊のような所をひたすら上っていく事になる。
4時間程歩いた頃、着いたフロアで朝木は足を止めた。
「………ここ……」
「俺らにとっては思い出したくもない場所ですね」
「聞いてもいい?」
「………いいけど……ね」
「面白くはないですよ」
「そういうのは期待してないよ。ただ知りたい。二人がどうして黒騎士だったのか」
「歩きながらで構いませんか?」
「うん。そりゃあ」
このフロアの奥に向かった。
所々血が固まって茶色く変色したのがはあるけど奥に向かうにつれ量が増えていく。
「…………俺は朝木を救いたくて」
「俺はにしの手を取りたかった」
「そこを俺らは利用された」
「俺らのせいで4月からの人の失踪は始まった。ズレの埋め合わせとして。ただ、原因の出来事はその二ヶ月後にあったんだけどね」
「たぶんそれはこの時間軸にズレが全て集約されたんだと思いますよ。だって、見てきたやつの中に人の失踪なんてなかったですし」
だからあの時は驚いた。
願ってもない瞬間がついにやってきたのだから。
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