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「えっと………俺が言えるのはここまでかな」
「あ、ごめんね。なんか空気悪くなっちゃった?」
「いや、そんなことないですよ。たぶんこの場所のせいです」
そう思い込む事に決めた。
それに実際にこの場所は嫌いだ。
血溜まりの量と数が俺と朝木が何度繰り返したのかを改めて重い知らされる。
「……さて、これを使って歩いてあと3時間ぐらいの場所までいきます」
「もっと上に行けないの?」
「無理です。そこまでしか行かないので。あと所要時間は15分と見積もってもらえればよろしいかと」
「……ほんと高いのな、ここ」
扉を閉めると床は結構なスピードで上がっていった。
上がってる最中は少しだけ携帯食糧を食べた。
まいしょーが持ってた分は血だらけで食べられる物では無かったので俺のをあげた。
「………朝も昼も悪いな」
「別にいいですよ、これぐらい。なんかのために余計に持ってきましたし」
「そそ。俺のもあげるー」
「あ、ありがと朝木」
「………それ見る限り随分と暴れたんですね」
「あー……まあ……眼ぇ潰れたし。言われるまでまるで痛みがなかったから気が付かなかったけどね」
「それって優さんのあれのせい?」
「多分な。夕べ見たら砂に変わってたし。あ、あと、いつぞやの朝木状態」
「………よく生きてたね。てか今よく動けるね」
「おいらの処置のおかげだよねー」
「そうだね、昨日はありがとな」
「気にしないでー。それにおいらの能力って万能なようでそうじゃないし……」
「………処置?」
「天秤発動したんですか」
「うん」
「え……は……?」
朝木はさっぱり理解してないみたいですね……
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