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「そう。正解だ。幻覚とは全ての感覚を陥れるもの。それは暗示と似ているのだよ」
背後から足音が近づく。
最初から奴は後ろにいたって事なのか?!
「お前らの想像とは違うよ。私はお前達の目の前に居る」
ああ、なんだ。
そういう事か。
「つまりは感覚をずらしているんですね」
「正解だ。君は本当に理解があっていい」
「闇は幻で感覚は惑わされる。厄介ですね。それに違うと言っておきながら今度は幻聴まで起こすんですか?」
「私はそこまで器用じゃあないよ」
「じゃあこの足音は?」
「振り返ればいい」
「嫌な予感しかしないんですよ」
「では影使い、お前にはどう感じている?」
舞崎は口ごもる。
「答えてみろ!」
「………っ……優くん……がいる」
「「「!!!」」」
「振り返るなッ」
驚き、反射的に振り返ろうとしたのを制止された。
「撃たれるから……。銃口を向けられてるから……」
「ふふ………手駒はまだいるのだよ」
「………汚ねえぞ………」
「汚くはなかろう。これでも2対4だ」
「数の問題じゃないよッ!」
朝木が激昂する。
臣野くんが舞崎に顔を寄せた。
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