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「しぃちゃんさ、影で優ちゃんの事取り押さえれねぇの?」 「………優くんの座標まで狂わされてなければできる」 舞崎の答えに納得したように頷き、今度は朝木に声をかける。 「朝木ちゃん、合図したら後ろに飛び掛かれる? あと、余裕あったら先見といて」 「………っ………うん」 頑張って落ち着こうとしている朝木だが鼻息は荒い。 相当怒ってるらしい。 どう見ても余裕ないですね、これは。 「ふーむ……あまり揺さぶりにも動じなくなってきたか」 「おいらはね」 さすが年長者。 「ちょっと見直した。敬意込めてリーダーって読んでいいですか」 「え? 何、急に。いいけどさ」 「あざーす」 「西野ってば緊張感ねえよな。…………で、捕らえた」 舞崎の合図にリーダーと朝木は振り返って飛び出した。 俺も振り返ると数メートル後ろには黒い影がいて、最初それは舞崎が影で被ってるから黒いのかと思ったけど、よくよく見ればこの塔に入ってすぐに見た黒騎士のそれだった。 .
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