305人が本棚に入れています
本棚に追加
「しぃちゃんさ、影で優ちゃんの事取り押さえれねぇの?」
「………優くんの座標まで狂わされてなければできる」
舞崎の答えに納得したように頷き、今度は朝木に声をかける。
「朝木ちゃん、合図したら後ろに飛び掛かれる? あと、余裕あったら先見といて」
「………っ………うん」
頑張って落ち着こうとしている朝木だが鼻息は荒い。
相当怒ってるらしい。
どう見ても余裕ないですね、これは。
「ふーむ……あまり揺さぶりにも動じなくなってきたか」
「おいらはね」
さすが年長者。
「ちょっと見直した。敬意込めてリーダーって読んでいいですか」
「え? 何、急に。いいけどさ」
「あざーす」
「西野ってば緊張感ねえよな。…………で、捕らえた」
舞崎の合図にリーダーと朝木は振り返って飛び出した。
俺も振り返ると数メートル後ろには黒い影がいて、最初それは舞崎が影で被ってるから黒いのかと思ったけど、よくよく見ればこの塔に入ってすぐに見た黒騎士のそれだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!