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「優さん………」
死んだような顔をして俺らに銃口向け静かに見つめる。
「「うおぉぉぉぉッ!!!」」
リーダーと朝木はそんな彼に向けて武器を振りかざす。
「なっ………座標がズレた?!」
「えっ?」
「あっ!」
当たったはずの攻撃は先程と同じ様にすり抜けた。
そして乾いた甲高い音。
鉄の風が俺の真横を駆け抜けた。
「ッぐァ………」
その声がしたのは後方から。
その瞬間周囲の闇が後退した。
「………え?」
「ヘイヘイヘイ、わざわざ座標狂わせてくれてありがとねー。お・う・さ・まっ」
「ゆ……ちゃん?」
「あー……やっと自由に動けるよ。言っとくけどさ夕べのアレ、演技だから」
「謀ったな、黒騎士ぃぃぃッ!!!」
「悪いけど、最初から“オレ達”は黒騎士じゃ無い」
そう言って優さんはもう一発ぶち込む。
「アンタがよく知ってる人物の布石の一つ。もう暗示の力は使えないけどね」
何となく優さんの声の雰囲気が変わった。
「でもオレらにアンタの能力は効かないよ」
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