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オレがそう言った瞬間ピタリと奴らは止まった。 「御望みならばそうしてやろう」 そして一人を基点に黒い影とその残骸が集まっていく。 「マジか………」 それはみるみる間に大きくなって形を変えていく。 「巨人とか……もう、ふざけてんだろ」 「アルゴスとか言うんでしたっけ、アレ」 「確かな。西野って博識だな」 「だいたいがゲームからの知識ですよ」 「……あ、そう」 百眼の巨人。 確か……ギリシャ神話だったはず。 「よク、知っテイるな」 「おいおい……喋り方おかしくなってんじゃねーか」 「気持ち悪りー……」 「とりあえずその気持ち悪い目から潰す」 蓮コラの様にびっしりとある血走った目はどうも見ていて気持ちいいものじゃない。 「一旦オレの後ろに下がれよ、皆ァ!」 そう叫んでショットガンの銃口を向けた。 撃ち出したのはバードショット。 鳥を狩るための銃弾だけあって威力は低いけど中に入っている鉛玉の数が多い。 すぐにリロードしてもう一発撃ち込む。 「ぎゃア!」 いくら目をつぶろうと当然皮膚よりも鉛の弾が強いわけだから瞼を突き抜けて目を潰した。 「マスターキー仕様にしなくて正解だったよ」 「うわ、怖っ」 「そりゃどうも」 「わあ、優ちゃん怒ってるねぇ」 「怒るよそりゃ。何の罪も無い空の民の人達があんな形で利用されてるんだから」 .
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