出会い

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出会い

楓月紗が立ち止まったのはある公園の前だった。いつもはまったく人気のない公園なのに、今日はある男性がベンチに座っている。不思議な雰囲気のその男性。女性みたいなきれいな顔をしている。楓月紗は、その魅力に目を奪われた。こんなことは生まれて初めてだった。楓月紗はそこから動けなくなった。 男性が立ち上がって何かをゴミ箱に捨てた。そして、公園から出ていった。楓月紗はどうしてもあの男性が気になった。そして、ゴミ箱に捨ててある、グシャグシャにされた紙を手に取った。広げると、今まで見たことのないような風景が描かれていた。自然に涙がこぼれてきた。そして、辺りが暗くなるまで、ずっとその絵を見ていた。
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