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しばらくそうしていると、静かに腕が離れた
「……」
「………」
何を言えばいいのかも、どうすればいいのかも考えられなくて
沈黙に堪えるために俯いた
耳にかかっていた黒髪がするりと落ちて、頬を撫でた
「ごめん、オレ何してんだろ…」
「だ、大丈夫…です」
やっぱりちょっと気まずくて、ぎこちない話し方しかできないみたい
だけど……
「や、やっぱり…、怖くないよ。
今も、全然怖くなかった」
自分の気持ちだけは、素直に伝えたくて
俯いたままだったけど、自分の言葉でちゃんと伝えた
「うん、ありがとう」
顔は見えなくても、白石くんは笑っていた気がした
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