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俺は寮からさほど遠くない食堂まで歩く。
視界にはちらほらと朝食にありつかんとする者が入ってくる。
今はまだ可愛いものだが、餓鬼とも言うべき食欲旺盛な奴も多いもので、少し気を抜くと目の前の食物がNothing!ってことも有り得る。油断大敵。
「よう、ラント」
「アレスか。……眠そうだな」
コイツは俺の友人、アレス・オルガー。
痩せ型の俺に対して筋骨隆々、両手剣を軽々と扱うような男だ。
実家は大規模な鍛冶工房で、父親はそこの親方。ゴツい見た目は遺伝なのか。
「魔法論理の宿題が終わんなかったんだよ……3時間くらいか、寝たのは」
「昼間寝てるから良いだろお前は」
コイツの朝は遅い。休日なら午前中一杯寝ることも辞さないツワモノだ。
「メシ行こうぜ。腹減っちった」
折角なので、朝メシは御一緒といくか。
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