序章

2/7
109人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
京の変身処・みやび光(みやびこう)。 公家の末裔で元子爵家末裔である三条明長(28)と妹の充子(26)が営むこの店では舞妓、鹿鳴館、大奥、芸妓、姫、花魁、十二単、殿様衣装などで記念写真を撮ることができる。 「お疲れ様です。お写真の方できあがりました。」 と できあがった写真を渡す充子。 「ありがとうございます。私のデジカメとケータイで撮ってくださったのもみたんですけどやっぱりここに来てよかった♪こんなにきれいなお姫様に撮ってくださるなんて!今度は友達と来ますね。」 「えぇ、是非!それではお気をつけてお帰りください。ありがとうございました!」 と 客を送りだし店の中へ入る充子。 「次のお客様は1時間後ですね♪」 と 明長の妻・美佳(24)。充子に憧れている。 「えぇ。上様と正室、戦国武将と姫の設定で撮りたいそうよ。結婚式挙げないかわりの記念写真ですって。」 「やーん楽しそー!」 と 充子に抱きつく。 「楽しいわよ。思い出に残る日にしたいわね。」 と 美佳の頭をなでる。美佳はうれしさでうっとりと目を閉じた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!