5人が本棚に入れています
本棚に追加
私は素直に答えた
実は…私は毎日、ここに来て魔法の練習をしていた
ここなら、おっきな魔法を使っても被害は出ないから
一応は結界を張るけどね…
なので、ここに居られると迷惑なの…
とは怖くて言えないけど
彼は察したようでゆっくりと歩き出す
だが、身体がふらつき
膝から転んだ
「…?!ちょっと…大丈夫!?」
私は慌てて彼に近づく
彼は近づくのを拒もうと手を振るが
私は構わず傷の様子を診る
かなりの出血を適当な布で無理矢理止めている…
そんな傷が至るところにあった
一体、何と戦ったらこんな怪我をするんだろ…
一瞬、そんなことを考えた
これは明らかに人にやられた傷ではない
医者の知識はなくとも、それくらい解る
なら…彼は何と…?
彼に触れてみる…
身体が小刻みに震えていることに気がついたから
出血のせいで体温も下がり、かなり危険な状態らしい
それでも彼は立ち上がる
私はとっさに彼の腕を掴み、座らせると回復魔法をかけた
彼の傷が徐々に消えていく…同時に体力も回復する魔法だ
最初のコメントを投稿しよう!