第2章~出会い~

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彼は驚いたように身体を見回す 私はにっこり笑った 「魔法使いならこれくらい朝飯前よ」 「…サンキュ…」 小さな声で彼は呟いた 彼は立ち上がり、歩き出そうとする その時―― 「――こっちは探したか!?」 「――探せ!!しらみ潰しに探すんだ!!」 どやどやと騒がしい音がする 複数の警備兵が『誰か』を探している… チラリと彼を見る 彼は舌打ちし、走り出そうとする 私は何故かとっさに彼の腕を掴んだ 「!?…離せ!!」 彼は逃げるのを邪魔される…と思ったらしく、乱暴に腕を払おうとする だが、違う… 私は彼を掴んだまま 廃屋の中に転移した ここは私の結界が張ってあるので 外から中の様子は見えない つまり、見つかる事は、絶対ないのだ 「…」 彼は私の行動を不信に感じているようで、数歩距離をとる… 無理もない いきなり現れた女の子が自分の怪我を治療した上に匿ったのだから 「…何が目的だ…?俺が何者か…知ってるのか?」 彼は鋭い眼光で私を見ている 私は別に深い意味があったわけじゃなかった 気がついたら勝手に身体が動いていたのだ
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