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だから、そのまま伝えた
「ん~…わかんない」
「わからない…?」
彼はさらに怪訝な顔をする…
「俺は…国王殺しの犯人だ…下手したらお前も殺されてたんだぞ?
しかも、助ける義理もない…お前も共犯扱いになるかもしれないし…」
彼はそんなことを言ったが、彼から殺意は感じない
「私を殺すつもりなら、さっき出来たハズだし、あなたから殺気を感じないから別に怖くない。
それに、目の前に死にそうな人がいたら助けるのは普通よ」
私はにっこり笑った
「それに、ここは結界があるから、外からは見えないわ
ゆっくりして行って大丈夫よ」
彼は何も言わず目を逸らした
やっぱり意味がわからないのかも
私でも自分の行動がよくわかってないし…
ただ…何故だか彼が警備兵に捕まってほしくない
そう思っただけ
悪い人ではなさそうだし…
「ねぇ、あなた…名前は…?」
彼はまた私に視線を向ける
「……ヒロ」
ヒロと名乗った青年は床に腰を下ろした
私も少し距離をおいて座る
…今日の練習は中止だな…
そんなことを考えていると
ぐぅうぅ~
隣からお腹の虫が鳴く声がした
私は苦笑して彼を見る
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