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ヒロは小さくため息を吐く
「助けられたし…匿ってもらった上に食事まで頂いたんだ
礼くらいはするさ」
私はパッと顔を上げた
「礼…?」
「あぁ…何か俺に出来る事があれば、な」
「出来ること…」
私は真剣に考える
今まで、まともな友達すらいなかった私は
こういう時にどうしたらいいのかわからない
ヒロは何も言わずに待っている…
沈黙が続く
この空気に余計焦ってしまう私…
「じゃあ…練習…」
消え入りそうな声で呟く
「練習?」
ヒロはキョトンとして聞き返す
私は小さく頷いた
「今まで…一人で練習してきたから…練習相手がほしい…」
小さい子がオモチャをねだるように遠慮がちに
上目遣いで見上げる
とっさに口をついて出てきたお願いなので
言った後で若干パニクる
「い、いや…ヒロは病み上がり…てか…怪我してたし…無理だよ…ね」
ただ、少しでも一緒にいたいが為のお願いだし
別に本気じゃなかった…
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