第2章~出会い~

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「まぁ…普通だな」 ヒロは事も無げに言った 私の鎌鼬は低級魔法のうちでも かなりのスピードを誇るのに… ちょっとムカついた私は、無動作でハリケーンを繰り出す これは私の十八番だ 台風のような暴風が廃屋を揺るがす 意外にも…ヒロは長剣を鞘に納めた 長剣で凌ぐと思ったのに… ヒロは腰を低くした ハリケーンをやりすごすつもりみたいだ 「甘いっ!」 私はハリケーンをヒロに直撃させる ――ズガガガッ―― 床が抉れる 結界がなければ、ここは一瞬で崩壊するレベルだ …ちょっとやりすぎたかな… ハリケーンが消え… 砂埃が舞う… その場所に動く影はない… 辺りを見回す 「あ…」 「甘いのは…お前だっ」 なんと ヒロは私の真上…廃屋の屋根の梁にぶら下がっていた ハリケーンの風圧を利用して上に飛んだのか…? ヒロはニヤリとして そこから飛び降りてくる 長剣はしっかりと私に向けられていた 「今…どうしたの…?」 「簡単。腰を落としてハリケーンに耐える 中心部分は上昇気流な訳だから、風圧で上に上がれる」
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