第2章~出会い~

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…そんなこと 普通の人間じゃ無理だって… 私は呆れとも驚きともつかない表情でヒロを見た 「降参か?」 ヒロは意地悪な笑みを見せる 「まっ…まだまだっ!」 意地になった私は両手を上に挙げる ちょっとだけ本気で行くっ… 部屋の壁がミシミシッと音をたてる 部屋の空気圧が一気に下がっていく ヒロに重力が襲いかかる 「…ぐっ…」 徐々にヒロが重力に圧され始め…膝が震え、前屈みになる 「…っ」 ついにヒロは床に両手をついた 「今だっ!」 私は右手をヒロに向ける 風の鞭 目に見えない風がたくさんの鞭になってヒロを襲う ヒロの腕や脚を鞭が打つ 「…ぃって」 ヒロの身体は完全に重力に圧されて動けない 勝利を確信した …しかし… 「うそっ!?」 ヒロは動いた 普通なら指一本動かないハズの… この重力の中で… ヒロは前転すると唯一重力のない場所へ移動する そう私の足元… とっさに回避しようにも、私はまだ術を発動中… ヒロなニヤリと笑う 長剣の切っ先が私の喉に向けられていた
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