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そんなある日
施設を抜け出したヒロの目の前に王国の執事が現れる
たまたま、近くの市場で買い物をしていた執事はヒロを見て目を丸くした
ヒロが片手に自分よりも大きな長剣を握りしめていたからだ
これは親が施設に預ける際にヒロに渡したモノである
施設の特別な場所に隠されていたが…
この日、ヒロは長剣を見つけ出した
それを持って
二度と戻らないつもりで施設を抜け出した
ヒロが9歳のときだった
執事の男性がヒロに関心を持つのは当たり前だったかも知れない
明らかにヒロは普通の子どもではなかったから
刀身が自分の身長よりも長い長剣を持ち
鋭い眼差しで睨む…僅か9歳の少年
執事はヒロに王宮に来るように勧める
ヒロは王宮に興味は無かった
だが…行く宛もない…
「どうだ?王宮で働いていればご両親の手掛かりも掴めるかも知れないぞ?」
幼いヒロにとって…それは大きな希望となった
万が一…王宮で働けなくても、執事は自分で引き取って育てるつもりでいた
それほどに
ヒロの存在が大きく見えたのだ
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