第1章~始まり~

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青年はその化け物をしっかりと見据えて呟く 「…国王様…はぁっ…これで…終わりに…っ…しましょう…」 荒れた呼吸を整えながら、青年は化け物に最期を告げる 国王と呼ばれた化け物は、大きく口を開け、威嚇する 青年が床を力いっぱい蹴り、走り出す 化け物は首をもたげ、青年に喰らいつこうとする 青年は間一髪で牙を避け、手にした長剣を真横に薙ぐ 喉元を裂かれた化け物の身体がふらついた 「さよなら…」 青年はその一瞬のスキを見逃さずに国王と呼ばれた老人の額に 長剣を突き刺した [--ッギャアァァァァァァァ!!-----] 化け物はこの世のモノとは思えない壮絶な悲鳴をあげると その巨体から大量の血を吹き出しながらゆっくりと倒れ、二度と動く気配はなかった ついに絶命した化け物を青年はじっと見つめる 化け物はゆっくりと収縮して普通の老人の身体に戻っていった それは、紛れもなくこの国の国王で ボロボロになった無惨な姿だった ふぃにこの部屋に張っていた結界が解けた それは、この部屋の外に被害が出ないように青年が張ったモノだった 結界が解けたと同時に一人の人物が部屋に飛び込んできた 「ヒロ!!…国王様!?」 その人物は中年の男性で、タキシードを着ているところから、この王宮の執事のようだ  
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