一生の誓い

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雲ひとつない青空。 黒板に擦れるチョークの音。 運動場を駆け回る生徒の足音。 この世界は、視覚聴覚で成り立っている。 授業を受ける気も起きず、私はずっと外を見つめていた。 「世界ってこんな広かったっけ…」 世界には、何万人という人で埋め尽くされているのに、こんな人の気配さえない時がある。 ふと、顔を伏せた時、私の耳に聞き覚えのある曲が流れてきた。 それは、漣くんが大好きだった曲。 「漣くん…」 それはまるで、漣くんが私に聞かせているような美しい声だった。 また、彼を思い出してしまう。 海くんを見ると、少しダルそうに授業を受けている。 ダメだよ。 これ以上、彼を傷つけるなんて…。 首を左右に振り、彼の存在を一時的に消す。 「日向、今日元気ないね」 「え、そう…?そんなことないよ」 ごまかした。 本当は、元気なんてない。 でも、心配かけたくなくて咄嗟に嘘をついた。 「それならいいけど」 そう言ってるけど、海くんはきっと気づいてる。 わざと言わなくて、胸がキリッと痛んだ。 初めて沈黙が続いた。 私も海くんも何も言おうとしない。 気がつけばもう私の家だった。 「帰ったらメールする」 「うん…」 「ひとつ…聞いていいか?」少し間を置いて、頷く。 「お前は、俺といて楽しいか?」 「え…?」 「これは、俺の予測なんだが、俺といる時の顔が寂しそうに感じる。あいつといた時のほうが楽しかったんじゃないか?」 また、彼を傷つけた。 何かと漣くんのせいにして逃げていた。 どうしてだろう…すごく胸が痛い。
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