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あれから何時間経ったのだろう。
一向に彼の姿は見えないままだった。
息を落ち着かせる為、姿勢を前屈みに直した時だった。
ふと前方に、海くんがひょっこりと現れたのだった。
私の存在に気づき、驚きの表情を見せる。
「海くん…っ」
「日向、なんで」
「海くんに言いときたくて」
今、言わなきゃ後悔する。
「海くんは、いつも私の傍にいてくれた。漣くんの変わりでもいいからって言ってくれた時、嬉しかった。でもね、それじゃダメだって気づいたの。海くんは、海くんなのに…私は、海くんの気持ち考えてあげられなかった。本当は、ムカついたんでしょ?本当は、忘れてほしいって思ってるんでしょ?ごめん。私も自分にも海くんにも嘘をつきたくない。私も隠したりしないから…これからも、ずっと…私の傍に…いてくれますか…?」
語尾は、ほとんど涙声で。
自分で何を言っているのかわからなくなった。
でも、私の気持ちを聞いてほしかった。
「日向の気持ちわかったよ。ありがとう。俺なんかでいいの?」
「海くんがいいの」
「なら俺もお前がいい」
そう言ってあなたは、私を抱きしめてくれたよね。
この薄暗い街中で、私と海くんは一生の誓いを約束しました。
隠し事はもうしません。
一生傍にいます。
泣き虫を卒業します。
ずっとあなたの隣で笑っています。
必ずあなたを幸せにします。
この誓いは、一生の思い出になりました。
煌めく無数の星は、私たちを優しく見守ってくれた。
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