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「おはようございま~す…。あれ?舞さん、今日は早いですね」
「あ、若菜ちゃん。丁度いい時に来た。これ、ちょっとお願いできる?」
さすがに大量の資料を片付けるのは大変だ。
社内に顔を覗かせた彼女に複数の資料を渡した。
「はい。わかりました」
素直に返事をし、自分のデスクへ歩いていく。
この子は、本当にいい子だ。
すごく、助けられている。
「みんなおはよう」
「社長、おはようございます」
社長が出勤。
爽やかに見えるが、私にはわかる。
彼は、誰よりも疲れているのだ。
「日向。お前、なんで…」
「疲れているでしょう。あなたの力になりたいの。何年、付き合ってると思ってんの?」
微かだが、彼の疲れがスッと軽くなったような気がした。
「すまない。今日は、外食しよう」
「うん。今日も頑張ってね社長」
挨拶を交わし、また仕事に取り掛かる。
彼の働く姿を見てるだけで、自然と笑みが零れる。
「舞さん。こんな感じでいいですか?」
「うん。ありがとう。若菜ちゃん今度、食事とかどう?」
「え?いいんですか?」
「勿論。女子トークに花咲かせてみたいのよ」
後悔先にたたず…。
おばさんトーク炸裂。
28になって思うことがある。
周りからは、若くていいわね~なんて言われるけど、実際には若くなんかない。
長い階段を上がれば、息だって切れる。
若者を見ると羨ましく思う。
でも、仕事してる私は若く見えるような気がする。
生き生きと輝いてるっていうか…。
今の人生は、生きた中で一番幸せだと思う。
私たちの未来は、どうなっていくかわからない。
でも、これだけは言える。
今の自分が一番自分らしい。
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