突然の事故

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蒼々とした澄んだ空。 窓を眺めながら、ひとつため息。 「舞、ため息何かついてどうした?」 「ああ、千紗か…。ごめん、考え事してた」 「考え事?」 「うん。世界は、広いなって」 本当にそう思う。 友達と出会って、大好きな人に出会って、親友と出会った。 そんな沢山の人と出会うってなかなかないと思う。 「舞っていつもそんなこと思ってるの?」 「うん。平和だなとか、青春だなとか、そんなこと」 「マイペースだね~」 そう?と笑いかけて、千紗と他愛のない会話に花を咲かせる。 「あ、そうだ。今度、地区のお祭りがあるんだけど、舞も行かない?」 「お祭り?」 「うん。結構、有名なんだ~。舞の好きなバナナチョコもあるよ」 バナナチョコ…食べたい。 妄想が広がり、涎が滴る。 「行く!!」 勢いよく立ち上がり、声を張る。 バナナチョコ~♪ バナナチョコ~♪ 「はいはい、本当好きだね」 「うん♪楽しみだな~」 金魚すくい、広島焼きに富士宮焼きそば、かき氷にバナナチョコ、林檎飴に葡萄飴…。 色んな種類の出店があって、今日は暑いね~なんて会話して、お祭りは、みんなを笑顔にしてくれる画期的なイベント。 「千紗~バナナチョコ♪」 そして私たちは、地区のお祭りへと足を運んだ。 数え切れないほどの大人数。 友達と来ている人もいれば、家族ぐるみ、カップルやひとりで来ている人。 本当に世界は広い。 衆人たちを見回しながら、私は自然と笑顔が零れた。
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