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土:「総司ィィィィ!って斎藤!
(一応)総司! どうした?」
沖田を追いかけ、廊下の角を曲がった土方が目にしたのは、額を赤く染めて気絶している斎藤と沖田の姿だった。
(ははーん…
角に曲がった時に斎藤とぶつかったんだな…… 自業自得だ。
いや、斎藤は災難だったな。
今の内に句集を………)
状況を理解した土方は気絶している沖田の手から句集を奪い、懐に入れた。
(このままじゃこいつら邪魔だし…
総司は別として巻き添え喰らった斎藤は可哀相だしな
部屋まで運ぶか………)
大人二人担ぐ事は出来るが、
無駄に体力を使いたくなかった土方は沖田と斎藤の襟首を掴み引きずって運んだ。
――――――――…その日、
頓所では異様な光景が見られた。
たまに、土方が沖田を捕まえて襟首を掴んで引きずる光景は見るのだが、
あの副長に対して忠誠心が強く、礼儀正しく、かつ、人と余り関わりを持とうとせず、真面目で無表情の斎藤が沖田と一緒に土方に引きずられているのだ。
すれ違う隊士達はぎょっとしてその姿を見たが、副長が恐くて聞かずにそそくさと歩いて行った。
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