第二章 桶狭間の戦い

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「紗霧、佐助、才蔵。織田勢の動きは、どうだ?」 斥候から戻った。三人の忍びのに戦況報告を聞いた。 「織田勢の本隊と思わしき軍勢が、我が今川本隊と衝突し玉砕したとの事に御座ります」 「義元様、桶狭間山に陣を敷いて居ます。今頃は、お酒を飲んで居る最中であります。」 「善照寺砦が陥落しました。」 「皆、ご苦労である」 義忠が忍び達に、労いの言葉をかける。 「兄上に兵五百を預け、沓掛城の留守居をお願い致す。」 「任せておけ。」 兄の川嶋満兼が、返事をした。 「才蔵。そちは、沓掛城に残り、兄上との連絡係となってくれ」 「ははっ」 「紗霧。義元様の元に参り周囲を固められよと伝え、義元様を命に代えてもお守り致せ!!よいな?」 「ははっ」 「本多道忠、岡部又兵衛、嶋五郎助と佐助。我に続け!!」 「出陣じゃ!!」 「おお~!!」 兵から歓声が上がる。 沓掛城から今川義忠率いる、二千五百の軍勢が、桶狭間山に大至急向かう。 桶狭間の合戦の半刻前の事である。 話しを元に戻します。 「申し上げます、一大事に御座ります。織田勢の奇襲に御座りま...」 パタと伝令が倒れた。 「本陣の守りを固めよ!!陣を乱すな!殿をお守り致せ!」 義元の旗本大将の庵原之政が大声で、今川家の兵士に命ずる。 今川本隊の第一陣の由比正信、第二陣の三浦義就、第三陣の松井宗親の各武将が本陣への敵の侵入を抑える。 本陣には義元を守るように構える。庵原之政の旗本隊、兵五百。 織田勢三千は、鬼人の如く。今川兵を打ち倒し、第一陣と二陣を壊滅させて本陣に迫り、第三陣の松井宗親隊に攻め掛かってる最中である。 第三陣を抜かれれば、本陣を残すのみである。今川兵も、必死の抵抗をする。 「ズドーン!!ダダダ...」 「うん!?、何事だ?」 信長は、一瞬、頭を捻り、伝令に聞く。 「今川兵の援軍に御座りまする。退路を完全に塞がれました。」 近くにいた、伝令が答える。 「是非に及ばず!!」 「義元さえ討ち取れば、合戦は終わる。者ども、早く義元の首を上げるのじゃ!!」 「通勝、勝家、成政と利家。我に続け!!」 信長を皆を鼓舞する。 「おお~!!」 「岡部又兵衛、嶋五郎助は鉄砲隊五百を率いて、織田勢の右翼から信長本隊に雨霰と鉄砲を浴びせよ!!」 「ははっ」
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