はぶられた

2/2
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
『お前は、神としての資質を問われている』 光の中、声……のような感覚が伝わる。 『お前は、一度自ら作りだした世に身を放ってみるのじゃ』 どこからともなく、それは、無いはずの耳に届いてくる。 『お前は、神としての資質を試されようとしてる』 無いはずの肩……に手を置かれたような気がする。 『お前は、我らの規範を見直す必要がある』 無いはずの頭を叩かれたような気がする。 『お前は、自らを見つめ直す必要があるな』 無いはずの瞳を、覗き込まれた気がする。 『お前は、やり直す必要がある』 無いはずの体を、どこかへ引っ張られる気がした。 『お前は、存在を思い出す必要がある』 私の体が創られる気がした。 『お前は、あれだ、その、頑張る必要がある。うん』 怒りを覚えた。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!